「嫌なら辞めていい」と言っていたのに、辞めさせられなかった話

「嫌なら辞めていい」と言っていたのに、辞めさせられなかった話のアイキャッチ 子育て・育児

「やりたいって言ったでしょ?」

こんにちは。ド田舎で3人の子どもを育てるワーママ、とっこです。

このセリフ、私は何回言ったか分かりません。

そして、その後に続くのは、親あるあるの”説教フルコース”。

  • 「ちょっとしんどいからって辞めるの?」
  • 「それじゃ将来、壁を乗り越えられんよ?」
  • 「辞めグセつくよ〜?」

あの頃の私は、本気で子どものためを思っていました。

……今思えば、子どもに言っているようで、自分に言い聞かせていた言葉だった気がします。

私は、習い事に憧れていた子どもでした

私は田舎で育ちました。両親は共働き。
近くに習い事なんてほとんどありません。

送迎も現実的ではなく、私が通っていたのは自転車で通える距離にあった習字と硬筆。

だから、小さい頃はずっと憧れていました。

「スイミングに行ってみたい。」
「ピアノ習ってみたい。」
「ダンスって楽しそう。」

だから親になった私は、「子どもにはいろんな経験をさせてあげたい」「子どもも喜ぶはず」という気持ちが、とても強かったんです。

「やってみたい!」と言ったのは、確かに本人

体験レッスンへ行く。帰り道で聞きます。「どうだった?」

習い事の体験レッスンの帰り道、夕焼けの道を子どもと並んで歩きながら話す母親のイラスト

すると子どもは笑顔で、「やってみたいかも〜」と言います。

私はうれしくて、「よし、始めよう!」となるわけです。

でも……数か月後。

「もう辞めたい。」

とっこ
とっこ

え?この前やりたいって言ったよね?

私は、辞めることを認められませんでした

「自分でやりたいって言ったじゃん。」
「簡単に辞めるの?」
「もうちょっと続けてみたら?」

そう言っていました。さらに正直に言うと……月謝、もったいない。これも本音でした(笑)。

送迎して。
時間も使って。

やっと慣れてきたところなのに。

「もう辞める???」 いやいやいや……そんな気持ちでした。

でも、あることに気づいたんです

そもそも、体験レッスンって1〜2回ですよね。

そんな短時間で「これが自分に向いている」なんて、大人でも分かるでしょうか。たぶん無理です。

それなのに子どもには、「どうだった?」「やる?」と聞いて、「やる!」と言ったら、半年、一年、それ以上続ける前提になってしまう。

今思うと、私のエゴだったなあ。

体験レッスン1〜2回で決めるのに続けるのは半年から年単位、というギャップをまとめた図解イラスト

長男が高校生になって話してくれたこと

高校生になった長男が、ある日ぽつりと言いました。

リビングで高校生の息子から昔の本音を打ち明けられ、驚いた表情の母親のイラスト

「柔道は、勝たないと怒られる気がして楽しくなかった。本当はもっと早くからバスケをしたかった。」

私は驚きました。「嫌なら辞めたらよかったじゃん。」そう言うと、長男は笑いながら、

「だって、お母さんたちに『辞めたい』って言ったら、怒ると思ってたもん。それに、辞めたらダメみたいな感じもしたもん。」

私は何も言えませんでした。私は、「嫌なら辞めてもいい」と言っていたつもりでした。でも子どもには、「本当は『続ける』って言わせたいんでしょ」と思わせてしまっていたんですね。

でも、ネガティブな感じで話してくれたわけじゃないんです。

「色々経験できたから、今自分がやりたいこととか、自分には合わないことが分かってる。」
と言ってもくれました。

本当は「続けてほしい」んじゃなかった

30代の頃の私は、とにかく「早く始めた方がいい!」派でした。

「基本は小さいうちに。」
「運動神経は一生モノ。」
「得意が一つあれば自信になる。」

そんなことを本気で思っていました。

もちろん、その考えが間違っていたとは今でも思いません。

でも現実は、習い事って時間もお金もかかるんですよね。

「じゃあ次はサッカー!」「今度はダンス!」「やっぱりピアノ!」

……なんて、気軽に体験ツアーができるほど我が家の家計は余裕ありません(笑)。

サッカー・ダンス・ピアノの月謝と道具代がかかるため気軽に習い事を変えられない、という図解イラスト

それでも私は、「まずは経験させたい」と思っていました。

だって、知らないものは好きになれないから。

いろいろやってみる中で、

「これ好き!」
「これは違う!」

そんな出会いがあればいいなと思っていたんです。

それは、私自身の後悔もありました。

高校生になったとき、周りには幼い頃からスポーツや音楽を続けてきた子がたくさんいました。

「もっと小さい頃に、いろいろ経験できていたら違ったのかな。」

そう思ったことがあったからです。

だから子どもには、できるだけ選択肢を見せてあげたかった。

なのに、「辞めたい」は認められなかった

でも、よく考えるとおかしな話なんです。

私が願っていたのは、「夢中になれるものを見つけてほしい」だったはず。

なのに、いざ「辞めたい」と言われたら、辞めさせられませんでした。

3人の子育てをしてきて、やっと思うようになりました。

大事なのは、「続けること」じゃない。

「これは違う。」
「こっちの方が好き。」

そう気づけることも、同じくらい価値がある。

やってみたから分かることがあります。

だから、辞めたことは失敗じゃない。

その経験があるからこそ、自分に合うものへ進める。

そして結局、人は「やらなきゃ」では頑張れなくても、「やりたい」なら勝手に頑張るんですよね。

だから今の私は、「習い事を続けること」よりも、子どもが夢中になれるものに出会えることの方が大切だと思っています。

……もちろん、これも親のエゴなのかもしれません。

でも、そのエゴのゴールが「子どもが笑顔で好きと言えるものを見つけること」なら、悪くないのかなと思っています。

まとめ

子どもに、いろいろ経験してほしかった。

それはきっと、子どもの頃に習い事ができなかった私自身の憧れでもあったんだと思います。

でも今なら思います。

親ができるのは、環境を用意すること。

「好き」を決めることではありません。

「合う・合わない」は、やってみないと分からない。

親ができるのは環境を用意し選択肢を広げることまで、「好き」や「合う合わない」は決められないという図解イラスト

だからもし今、子どもが

「辞めたい。」と言ったら、

「なんで?」と問い詰める前に、

「そう思った理由、教えて。」と優しく聞いてあげたい。

42歳になった今、そんなことを思っています。

子どもの「やってみたい」も大切。

でも、「違った」「やっぱりこっちが好き」も、同じくらい大切。

遠回りに見えても、その経験はきっと、その子だけの「好き」に続く道なんだと思います。

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